1月4日(その1)心臓マッサージをされてる力斗はぐったりしていた。「結局おしっこは出ませんでした・・・。心拍はありますが、心臓マッサージをやめると心臓が止まると思います。もう何の薬を使っても心臓が戻りません。肺も手動の呼吸器でかろうじて動いてる状態です」 「ちょっと前に目を見ましたが、瞳孔が開いてました」 ・・・・・・ 何言ってるの? 時計の針は2時。 「うちの両親が今病院に向かってます。最後に会わせたいです。それまで、どうか命を・・・・!」 と先生に頼み頑張ってもらった。 ごめんね、力斗、少し待ってて。少し我慢して・・・・ 「りきちゃん!!!!」 5分位して両親が来た。 「りきちゃん、りきちゃん・・・・!!!!おばあちゃんだよ、りきちゃん!!!」 しばらくして「心臓マッサージをやめてもいいですか?」と言われ、もう力斗の限界だと思った私達は「はい」と言った。 手動の呼吸器だけになった。 後からパパに「あの時力斗のしんどそうな顔が一瞬安らいだんだよ」と言われた。 もうしんどかったんだと思う・・・。ほっとしたんだと思う・・・。 無理言ってごめんね・・・ 「お母さん、最後に抱っこしますか?」 抱っこした力斗は少し冷たくなってた。 私の顔と力斗の顔をくっつけてすりすりした。ずっと出来なかった・・・・やっとできた。 「りきちゃん!!!ママだよ、ママだよ」 私は号泣した。 それまでマッサージをやめるとすぐに低下してた心拍はなぜか持続している。 力斗の最後の頑張りだったのかもしれない。私の腕の中にずっといたかったのかもしれない。 「ママに抱っこされて、顔がだんだん安らいできた。きっとうれしかったんだよ」と後日パパに言われた。 皆で最後に写真を撮った。私は笑顔のつもりだったが、あとで写真を見ると笑ってない。 たぶんもうその時は力斗は死んでたと思う。 その後パパと抱っこを交代した。 パパも自分の顔と力斗の顔とをすりすりした。そして号泣した。 そして先生と目を合わせ、力斗をベッドの上に戻した。 心拍が下がってきた。 「もういいですか・・・・・?」 「はい」 「 2時30分、力斗君、逝去です 」 先生も看護師さんも皆泣いてた。 頑張ったね頑張ったね。本当に頑張ったね! お疲れ様、力斗。 ジャンル別一覧
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